オイル情報
エンジンの各しゅう動部や回転部では、金属同志が直接接触して摩擦によって動きにくくなったり発熱したりするので、
これを防ぐためにエンジンオイルが用いられます。
(1)摩擦作用
物体が接触しながら運動するとその接触面には摩擦が発生します。
エンジンオイルはこの接触面に油膜を造ることによって摩擦を少なくしています。
(2)冷却作用
エンジン内部の燃焼によって発生する熱と、摩擦によって発生する熱は冷却水によっても冷却されますが、
各メタル、ピストン、カムシャフト、クランクシャフトはエンジンオイルによって直接冷却されます。
(3)緩衝作用
ボール・ベアリング、ローラ・ベアリング、ギヤなどのように点接触又は線接触で集中した力を受けるものは、その接触部に非常に大きな圧力が加わります。
このように局部的に大きな圧力を長期間受けていると磨耗や損傷の原因となります。
エンジンオイルはこのような場合圧力を分散させるとともに衝撃力を吸収する作用があります。
(4)防錆作用
エンジンオイルは金属の表面に薄い油膜をつくり、空気や水分などが金属に直接触れないようにして錆びの発生を防いでいます。
(5)密封作用
シリンダとピストンとの気密はピストン・リングで行っていますが、
エンジンオイルがシリンダ及びピストンとピストン・リングとのすき間に入り込むことによって気密を更に高めています。
(6)清浄作用
燃料の不完全燃焼等によって発生するカーボンは黒煙として排出されますが、
一部はピストンとシリンダのすき間からクランクケースに入りシリンダはエンジンオイルによって清浄されます。
また、金属紛等を浮遊させて油路に堆積しないようにしています。
このようにエンジンオイルは多くの働きがありエンジンの血液と言われるゆえんです。
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粘度とはオイルの粘りの度合いを表すもので、粘度の高いオイルは金属の表面につくる油膜が厚く、
それだけ大きな荷重を支えることができます。
しかし、粘度が高すぎると粘性抵抗が大きくなり動力損失を増大させ、
反対に低すぎると動力損失は減少しますが、油膜が切れやすく潤滑作用が十分に行われなくなるので、
適正な粘度のものが使用する必要があります。
粘度により分類する方法にはいろいろありますがが、SAE(Society of Automotive Engineers:米国自動車技術者協会)
粘度分類が広く用いられています。
この分類は粘度番号の大きいものほど粘度が高いことを表しています(右図)
番号に付いているWは冬季用又は寒冷地用を意味しています。
エンジンオイルの粘度は温度と密接な関係がある、一つの粘度番号のオイルですべての条件の潤滑をまかなうことが出来ないので、
運転条件、あるいは外気温度(季節)によって数種の粘度番号のオイルを使い分けなければなりません。
このような条件を限定しているオイルをシングルグレードオイル(SAE10W、SAE30など)といいます。
これに対し使用条件を限定せず広範囲な使用条件に適するように造られたのがマルチグレードオイルとよばれるもので、
SAE10W-30、SAE20W-40などと表示されます。
例えばSAE10W-30は、低温始動性の面ではSAE10Wの性能を持ち、高速高負荷時及び高温時にはSAE30の性能を備えたオイルです。
下の図はSAE粘度番号と使用可能温度の関係の一例を示したものです。
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性能及び用途による分類としてはAPI(American Petroleum Institute:米国石油協会)サービス分類が一般に用いられています。
ガ ソ リ ン エ ン ジ ン
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分類 |
適用 |
| SA |
添加剤を必要としない経度の運転条件のエンジン用で特別の性能を要求しない。 |
| SB |
加剤の働きを若干必要とする経度の運転条件で、スカッフ防止性、 酸化安定性及び軸受け腐食防止を備えることが必要。 |
| SC |
1964〜1967年の乗用車及びトラックのガソリンエンジン用で、 高温及び低温デポジット防止性、摩耗防止性、錆止め性及び腐食防止性が必要。 |
| SD |
1968年以降の乗用車及びトラックのガソリンエンジン用で、 デポジット防止性から腐食防止性までのSC以上の性能が必要。 |
| SE |
1971年製の一部及び1972年製の乗用車及び一部のトラックのガソリンエンジン用で、 酸化、高温デポジット、錆、腐食などの防止に対しSD、SCより更に高い性能が必要。 |
| SF |
1980年製の乗用車及び一部のトラックのガソリンエンジン用で、 酸化安定性、耐摩耗性がSEより更にすぐれていることが必要。 |
| SG |
1989年以降の乗用車、バン、トラック用でエンジンデポジット抑制、 酸化安定性、耐摩耗性、錆、腐食などに対してSFより更にすぐれていることが必要。 |
| SH |
エンジンオイルの新認証システムEOLCSによって初めて認証されたものである。 1993年以降のガソリンエンジン車用で耐摩耗性、燃焼費性、 低温流動性及び排ガス対策性がSGより更に優れている。 |
| SJ |
1996年以降のガソリンエンジン車用で酸化安定剤、腐食防止性、防錆性、燃焼費性、 低温流動性及び排ガス対策性がSHより更に優れている。最高グレードのエンジンオイルである。 |
| CD |
高速高出力運転で高度の磨耗及びデジポット防止性を要求する過給ジーゼルエンジン用で、
広範な品質の燃料を使用する過給ジーゼルを満足させる軸受け腐食防止性、 及び高温デジポット防止性を必要とする。 |
| CE |
1983年以降製造の高負荷過給ジーゼルエンジンで低加速高荷重と高速高荷重で運転するものの両方に用いる。
CD級より更にオイル消費性能、デジポット防止性能、スラッジ分散性能を向上させたもの。 |
| CF4 |
CE級より更に軸受け腐食防止性、熱酸化安定性及びオイル消費性を向上させたもの。 |
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エンジンオイルは高温・高圧の元で使用され、オイル自体の燃焼や燃焼ガスの吹き抜けの中に含まれる不完全燃焼生成物としてのカーボン、
腐食性物質、エアーフィルタの隙間からの外部からのごみ、摩擦部分からの金属紛などの混入、
使用時間及び温度上昇によって自然に発生する酸化などによってオイルの劣化が促進されるものと考えられる。
このため規定の時期又は走行距離ごとに点検し、補給又は交換する必要がある。
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